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小さな映画館に寄せて

語り・中村啓子さんからのメッセージ 2010.12.28 (Tue)

録音して直ぐに、中村啓子さんがブログに『小さな町の小さな映画館』のことを書いてくださったので転載します!

このタイトルをご覧になっただけで、ノスタルジーを感じられる方も多いことでしょう。北海道浦河町に、そんな映画館が現存しています。
「小さな町の小さな映画館」は、大正7年に創業した「大黒座」を紹介するドキュメンタリー映画のタイトルなのです。
長年親しくお付き合いさせていただいている森田惠子さんが、2年以上浦河へ通い続けて製作した素晴らしい映画です。実は私、先日このナレーションをさせていただきました。心に残ったその内容をご紹介させていただきます。

「大黒座」の四代目のオーナー三上雅弘さんは大の映画好き。
「これだけは見て欲しいという映画が沢山ある」と、観客がたった一人の時も上映を続けています。

この映画の面白いところは、その観客をも追っているところです。その中の一人、桜井さんは、愛知県で機械設計をしていましたが、生き方を見つめし、自然農をしたいと北海道にやって来て、浦河の奥の奥で、一人でにわとりを平飼いしています。

日本産の「モミジ」というにわとりに、北海道産の栄養たっぷりのえさだけを与えたたまごは、まるで芸術品のよう!でも1個40円という価格のせいで、なかなか思うように売れません。
テレビも新聞もない、撹拌器も買えない生活の中、400円のガソリン代をかけて、大黒座に通う桜井さんは言います。

「まあ、普通の人が考えたら、なにをやってるんだろう? となるのかな。そういうものじゃない。生きているだけで幸せだ。
お金は道具だ。あればあったで、便利。なきゃあないで、暮らせばいい。
それより、自分の生きたいように生きる方がいい」

また、映画館を続けて欲しくて三上さんと結婚した、妻の佳寿子さんは、こう言います。
「なんとしても映画館を続けたい、と思っていました。
しかし、今は、もし、お客さんが見に来てくれなくなれば、それは、もう、この町に、映画館は要らない、ということ意味しているのだと考えています。いくら、やめたくない! やめたくない! と思っていても、映画を見に来てもらえなければ、映画館は続けられません。それでも、映画館を続けられる間は、ずっと映画館の仕事をやっていきたいと思っています」

「あすのことを思いわずらうな。あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう。
一日の苦労ははその日一日だけで十分である」(聖書:マタイの福音書6:34)という
イエス・キリストの言葉を彷彿とさせられます。

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