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小さな映画館に寄せて

映画分析研究所の宮城正樹さんの作品評 2012.03.02 (Fri)

関西公開前映画を1日1本800文字以上で書き続けて800日を超える!! 宮城正樹さんが書いてくださった『小さな町の小さな映画館』評。
とても嬉しい評だったので、ご本人の許可を頂いて転載します。

2012年2月23日 (木)
映画愛に満ちたドキュメンタリー映画『小さな町の小さな映画館』

『ニュー・シネマ・パラダイス』などへと通じる、深き映画愛の物語どすえ~

北海道の浦河にある映画館“大黒座”を舞台に、映画への人々の想いが、静かに伝わってくる感動作でおますよ

如月2月25日の土曜日から、大阪・九条のシネ・ヌーヴォXで上映でおます(3月4日の午後4時の回では、本作の監督・森田惠子ネーさんの舞台挨拶がござります)。でもって、その後、3月3日から神戸・元町映画館やら、4月から京都みなみ会館やらで上映しはります。

文=映画分析評論家・宮城正樹

いやあー、ボクチンは恥ずかしながらでんな、この映画を見た時には、ホンマのホンマに泣きよりました。ボクは映画を見てる時には、滅多なことでは泣かしまへんねん。

のめりこんで、映画を分析解析することに集中しようと、目を凝らしておますんで、涙腺のスイッチは入っとらんのどすわ。ところがどっこい、コレはピン・ポイントやったなー。ヤラレました。

映画撮影技師と少年の交流を描いた『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989年製作・イタリア&フランス合作)にも近い、映画への愛があふれておます。

とゆうか、ボクが最もココロにきたんは、映画をそんなに見たことがない人たちのお話どした。牧場をやってはる人とか、地場産業の漁業やら養鶏をやってはる人とか。そもそも映画なんか見んでも生きてゆける人たちが、映画を見て感動するとゆうのんが、ボクのココ、ココロにきよるんどすわー。

映画のチカラを凄く感じさせはる作りでおます。たかが映画、されど映画なんどすえ。

さてはて、このドキュメンタリーのポイントは、映画とは全く似合わない、漁業と牧場の町・北海道・浦河とゆう片田舎に、映画館ができ、それがなんとまあー、今に至って創業93年目を迎えてはることでおます。

誰も客が入らへん日々もあったそうどす。暖房がなくて、厚着をしながら凍えつつも、映画を見はる人もいてはりました。映画と人々のつながりとゆうのんが、モノゴッツー伝わってまいります。DVDのレンタルやったら、家で簡単に見られますが、でも本作は、映画館で映画を見ることの意味を、押しつけがましくなく、本編のすみずみから伝えてきはります。

写真3枚目は、4代目とならはる映画館の館主はんの、三上雅弘のアニキ。4枚目は、ポスターを張ってはる、そのヨメはんの佳寿子ネーさんどす。2人の映画体験やらも披露されよりますが、それらのエピソードも、ケッコー映画館鑑賞への扉へと導いてくれはります。

いろんな人にインタビューしてはりますが、佳寿子ネーさんのコトバやらはかなり印象的どした。この大黒座でSF世界の「エイリアン2」(1986年・アメリカ)を見て外へ出た時、そこには海辺の田舎の風景が広がっていた、やなんて…。映画とゆう夢の世界を言い表してハッときよります。

かつては自主映画も、この大黒座を舞台に撮られたらしいのどすが、エポックメイクなんは、「結婚」(1993年製作)とゆうメジャー系の映画で、大黒座が捉えられたことどすか。「結婚」は3話オムニバスのコメディなんやけど、浦河バージョンの1話は、佐藤浩市と名取裕子共演で、恩地日出夫はんが監督しはりました。その時の撮影エピソードやらは、オモロイかとは思います。

でも、本作のポイントはそういうことよりも、ちっちゃな映画館への、映画愛を通しての描き込みどす。いずれにいたしましてもでんな、岡山のNPO法人の映画館やらの話も盛り込みつつ、「ニュー・シネマ・パラダイス」以上の、映画愛に酔えた作品どしたえ~。

※ ブログからの転載のため画像がありませんが、ご了承ください。

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